キャノンインクの歴史
キャノンインクはエコッテ創立当初から取り扱っていました。1999年からかれこれ20年以上。インクの変化に合わせて、詰め替え道具がどう変化していったのか、エコッテの研究の歴史をご紹介します。
もひっち
エコッテ公式キャラクターのもひっちです!エコッテの奮闘記をぜひ楽しんでいってね♪
エコッテスタッフの前野です。キャノンの進化とそれに対応する私たちの飽くなき研究を紹介していくよ!
生徒きくち
ヘッドありインクカートリッジ
ヘッドあり第一世代
1990年代、キャノンインクはワープロなどのモノクロ印刷を目的としたヘッドあり一体型インクカートリッジが主流でした。ヘッドとはプリントヘッドのことでインクを噴出する部分です。
BC-01やBC-20はメーカー生産終了してしまった後でも、エコッテで詰め替えインクやリサイクルインクを買われるお客様がいらっしゃるほど人気だった商品です。
もひっち
エコッテが販売を始めたのがヘッドあり第一世代だったね。
ヘッドあり第一世代の詰め替えの特徴は、インクを空気孔から入れることだったんだよね。
なつかしいねー。空気孔に小さいラバーゴムが入っていて、このラバーゴムを引っこ抜いて、インクをどうにかいれられないか?というのに悪銭苦闘したよね。
生徒きくち
もひっち
そうだね。とにかく抜けたら抜けたで今度はどうやって穴を埋めようかたくさん実験したね。
そうそう、それで誕生したのが、ミニドリルとカラーラバーキャップだよね。
生徒きくち
もひっち
いろいろさしてひっかけたりしてみたけど、ドリル式が一番きれいで簡単にとれたんだよね。
もひっち
はじめは黒だけだったラバーキャップも、カラーが出始めたことで3色展開になったんだよね。
そうそう、なつかしいね。この商品はぼくたちの始まりの商品といってもよい商品だから、20年経った今でも現役で使っていただいているのはほんとうにありがたいことだね。
生徒きくち
もひっち
ほんと感慨深いよね! ちなみにBX-3は覚えてる?はじめて空気孔以外からインクを補充した型番なんだけど。
覚えてるよ!形はBC-01.BC-02と同じ形状なのに、BX-3だけ空気孔の反対側に今までなかった半透明のインクの部屋と銀の球があったんだよね。
生徒きくち
もひっち
うんうん!「この部屋はどうなってるんだー」、「この銀の球はなんなんだー」ってみんな興奮してさっそく解体して比較したんだよね!笑
そしたら、BC-02のカートリッジの真ん中部分にもBX-3のインクの部屋についていた銀の球があったんだよね!
生徒きくち
もひっち
そうそう!それで僕たちが出した結論は「もともとキャノンはこの銀の球があるところからインクを補充して出荷しているんだけど、BC-02の銀の球の位置だと、銀の球がカートリッジの真ん中にあって、インク補充後に基盤をつけたり、カートリッジ側面をつけたり作業が大変だったから、BX-3からインク補充口を一番左にしたんだろう」ということになったんだよね!
そうだったね!ずっとこのシリーズは空気孔からインクを補充していると思ってたけど、このときに銀の球部分から補充していることがわかったんだよね!
生徒きくち
もひっち
形が変わったことでインクの詰め替えも簡単になったからとてもありがたいよね!この、キャノンのインク補充位置の球を落としてインクを補充するスタイルは、後のBCI系の原型ともいえるよね!
そうだね!球を使ってインク補充口を塞ぐ方法は、今もBCI系に使われているもんね!
生徒きくち
もひっち
最後にBX-3と同シリーズのBX-20にも触れておこう。
同じBXシリーズだからBX-20にも銀の球があると思ったら、見当たらなかったんだよね。だから、BX-20に関しては空気孔をBX-3と比較したんだよね。
生徒きくち
もひっち
そうそう!BX-20の空気孔は特別なのかと思ったけど、比較してみたら、形は違えど2つとも少し隙間があいているだけの普通の形だったんだよね。それで、僕たちの出した結論は、BX-20はスポンジのすぐ上に空気孔があるから、あえてBX-3のようにインク補充口を作る必要がなかったんだろうってなったんだよね。
ヘッドあり第二世代
第二世代からが今のキャノン一体型の形になります。このころからチップが搭載され、残量検知がされるようになりました。ヘッドあり第二世代はBC-70、BC-90からBC-310/311、BCI345/346までを呼びます。
もひっち
ヘッドあり第二世代のBC系は、今もそうだけどとにかくドリルの研究開発が一番大変なシリーズだよね。
そうそう、なるべくどんなお客様でもどんな型番でも使いやすいものを開発したいから、柄の太さとか、ドリルの長さとかを今も常に研究し続けているよね。
生徒きくち
もひっち
エコッテにあるbc系インクはいつもこの写真みたいに穴だらけだよね。笑
この写真はBC-345の研究をしてたときの写真だね!同じ型番なのにBC-345(通常容量)とBC-345XL(大容量)でカートリッジの形が違かったんだよね!
生徒きくち
他のBC-310やBC-340はBC-345XL(大容量)と同じ形状なのに、なぜかBC-345(通常容量)は、カートリッジの上部に溝がある形状で、短いドリルでは溝が邪魔して穴があけにくかったんだよね。
生徒きくち
もひっち
そうそう、それで、試行錯誤した結果、中のスポンジはすべてつながっているから、真ん中にあけるっていう概念をなくして、溝のないカートリッジの上部にあけることにしたんだよね。
この方法を採用することでBC-345(通常容量)のお客様も穴があけやすくなったんだよね。
生徒きくち
もひっち
うんうん!エコッテとしては、プリンターを買い替えたときも、なるべく新しいものを買わずにリサイクルできる環境を目指しているから、どの型番でも使えるドリルを開発するのはとても重要なことなんだよね。
ドリルであけてしまえば、あとはインクを補充するのは同じことだもんね!
生徒きくち
もひっち
そうだね!今開発している力が入りやすい持ち手グリップも販売開始するのが楽しみだね!
ヘッドなしカートリッジ
今ではヘッドがプリンタについていて、インクの色が個別になっている独立型が主流ですが、実はこのヘッドなし独立型は後発商品でした。
ヘッドなしカートリッジ独立型は家庭用とプロ用に分けられます。代表的な人気型番はBCI-371+370やBCI-381+380です。
ヘッドなし第一世代
ヘッドなし第一世代はBCI-3eからBCI-6、BCI-7e、BCI-9eまでを呼びます。
もひっち
第一世代はICチップなしからICチップありに変わった時代だね!チップなし時代は残量を検知しないから、インクを補充するだけで使えたけど、チップがついてからはプリンターの残量検知無効操作が必要になったんだよね。
もひっち
下の写真はBCI-9とBCI-7のセット写真だけど、第一世代は今と違っていろいろな型番を組み合わせて使うシリーズだったよね!
そうそう!BCI-9とBCI-7、BCI-6、BCI-3を組み合わせるから、たしか組み合わせが10パターン以上あった気が!?
生徒きくち
もひっち
大正解!当時の組み合わせリストをもってきたよ。全部で14パターンもありました!笑
生徒きくち
もひっち
ほんとだね。笑 当時はみんなお問合せが来るたびにテンパってたもんね。笑
BCI-9BK(顔料)が発売されたときは、染料よりもカートリッジの幅が太かったから、急いでドリルの幅を研究したんだよね。
生徒きくち
もひっち
そうだったね。BCI-9BKをきっかけに、キャノンの独立型には必ず染料・顔料がセットになっていったよね。
あとは、インクカートリッジの見た目も変わっていったよね。第一世代はインクカートリッジの中身がまだ見えていたのに、第二世代になってスポンジが見えなくなり、第三世代はまったく見えなくなったんだよね。
そうそう!詰め替え対策なのかな?詰め替えた量を知る方法が重量を量る方法以外なくなってしまったんだよね。
生徒きくち
もひっち
下の写真は第一世代時の詰め替え方法の写真説明だよ!透明のころはどれくらい入っているか一目で見れて便利だったね!
ヘッドなし第二世代
ヘッドなし第二世代は、BCI-321+320とBCI-326+325を呼びます。
第二世代は2型番しかなかった短い世代なんだよね。窓あきカートリッジから、見かけが真っ黒になった時代だね。
生徒きくち
詰め替え方法は第一世代と同じでホルダーとドリルを使う方法だったね。
生徒きくち
もひっち
第二世代は、第一世代からの変化の対応、第三世代への変化の対応ですごく大変だったよね!
ヘッドなし第三世代
ヘッドなし第三世代は、BCI-351+350やBCI-371+370、BCI-381+380などを呼びます。
そうそう!インク本体の高さが変わっていたり、インク吐き出し口のでっぱりがなくなっていたり、インク注入口の高さが変わっていたりして、ホルダーもドリルもサイズが合わなくなっていたんだよね!
生徒きくち
もひっち
測ってみると数ミリの差だったけど、その数ミリの差が曲者だったよね!笑 ジャストなサイズを見つけるまではみんな毎日手がインク漏れでカラフルだったのを忘れられないよ。笑
黄色の矢印部分がインク吐き出し口なんだけど、インク吐き出し口を押さえるホルダーは、スポンジの高さを変えることで吐き出し口の隙間を埋めて、インク漏れ問題を解決したんだよね。
生徒きくち
もひっち
この絶妙なスポンジの高さの違いを見つけたときはうれしかったね!ホルダー問題が解決したら、今度はドリルの開発に没頭したよね!
そうそう!BCI-351+350になって、カートリッジの穴あけ部分のへこみに段が付いたんだよね。それによってうまく球に力が伝わらなくて穴があけられなくなったんだよね。
生徒きくち
もひっち
この問題も難題だったね!研究した結果、ドリルの先端角度を変えることで解決できたんだよね!
そうだったね!そのあとはカートリッジに合わせてドリルホルダーの高さを変えたり、しっかりと球が落ちるようにドリルの長さを変えて、やっとBCI351+350も出荷できるようになったんだよね!
生徒きくち
もひっち
でも、出荷してみたら、今度は「開けた穴にキャップが入らない!」っていうお客様の声が聞かれるようになったんだよね。
そうだったね!力の入れ具合や開ける角度によって穴が大きくなったり、ゆがんだりすることで、人によってゴム栓で密栓できない状況になる事態が起きたんだよね。
生徒きくち
この問題は、今もヘッドありインクカートリッジで使っているBC系の詰め替え用銀色シールを付けることで解決したんだよね。
生徒きくち
もひっち
お客様の声がなかったら気づけなかった問題だから、お客様にはほんとうに感謝ばかりだね!
その後、BCI-371+370からは詰め替え方法が変わったんだよね。
BCI-325+326まではインク注入口の球が簡単に取れたのに、BCI-370+371は球が落ちにくくなって、どこから入れればいいか色んなところに穴をあけてたんだよね。
生徒きくち
もひっち
そうそう、それでダメ元でインクの吐き出し口にインクを垂らしてみたんだよね。
そしたら!びっくりなことに問題なくインクが吸収されて、印刷まできれいにできたんだよね!笑
生徒きくち
もひっち
どうしてもっと早く気づかなかったんだーーーーーーー!!!!ってみんなもう笑っちゃってたよね!笑
ほんとそうだった!結局さかのぼってみたら、第二世代全部インクを垂らすだけで補充できることがわかって、今では、さっきまで熱弁してたホルダーとドリルがいらなくなっちゃったんだよね。笑
生徒きくち
もひっち
まぁ、みんなで盛り上がって研究したのが楽しかったからいいとしよう!笑 お客様の利便性も上がって、キャノンはますます人気になったしね!
ヘッドなしプロ用
家庭でもきれいな写真印刷を楽しんでほしいということで、2012年頃にキャノンからプロ用が発売されました。はじめは8色、のちに10色セットまで発売されました。
BCI-43、BCI-66、XKI-N11などを呼びます。
プリンターは少し高いですが、写真印刷にこだわりたい方にはオススメです。
※エコッテでは取り扱いはありません
ヘッドなし一体型
ヘッドありとヘッドなしの中間的存在でヘッドなし一体型です。型番はBCI-15.BCI-19.BCI-24などを呼びます。
もひっち
ヘッドなし一体型のBCI-19を使用するPIXUS ip110は簡易的にちょっと使いたい人には最適のプリンターだよね!
うんうん!同じカラー一体型のBC-341に比べてこんなに小さいのに、カラーは染料ブラックを含めシアン・マゼンタ・イエローの4色入っていて印刷品質にもこだわっているもんね♪
生徒きくち
もひっち
詰め替え方法もインク吐き出し口から垂らすだけで詰め替え完了だからとっても簡単なのもまた良いよね◎
そうだね!このシリーズが人気なのも納得だよね!エコッテでもこれからも扱っていきたいね!
生徒きくち
まとめ
もひっち
今までほんといろんなことがあったね!人気商品のヘッドなし独立型BCIシリーズは、詰め替え方法が昔に比べてかなり簡単になったから、「子供と一緒に楽しんで詰め替えしています」という声もいただくようになったよね♪
そうだね!やっぱりお客様の喜んだ声を聴けたときが一番うれしいよね!
生徒きくち
もひっち
うんうん!これからもキャノンの進化に合わせてもっともっと研究して、より多くのお客様に詰め替えインクを使っていただけるよう頑張っていかなきゃね!
この記事を書いた人
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エコッテ まえの
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詰め替えインクのエコッテのスタッフ前野です。